昨今の就職活動では「Web面接」という形態が常習化しています。
2年前のデータでは8割近くが経験していて,今はそれよりも低くなっているように思われますが,多くは避けられないでしょう(参考)。
たとえ最終面接は対面式であっても,それまでの面接をWeb上で行う企業がかなりの数あるわけです。
そこで今回は,MARCH生が身に付けるべきWeb面接の極意について学んでいきましょう!
Web面接の特徴
相手の姿が見えない電話ほどではないものの,Web面接には対面のときとは異なる特徴があるわけです。
例えば,会社まで出向く必要がない代わりに,ツールの起動が必要になります。
「WEB会議システム」とも言いますが,有名どころとしては「Zoom」や「Google Meet」があり,前者はアプリのインストールが必要です。
なお,パソコン以外にスマホで実行することもできますが,安定性や今後のことを考慮すると,多くの場合に推奨されるのはパソコンになるでしょう。
今や大学の講義もオンラインで行われることも増え,入学時に買わされるパソコンはWeb面接に対応できる機能を搭載したものになっているでしょうが,BTOパソコンなどをお持ちの方は,Webカメラやマイクセットの準備が別に必要となることに注意してください。
中には,すでに内蔵されているカメラやマイクよりも高品質なものを求めて,外付けのものを用意する学生もいます。
これは,相手が受ける印象が自分の人生を決めてしまうことを知っているからこその行動と言えるでしょう。
さて,Web面接の流れは以下の通りです↓
- 日程や,希望するWeb会議システムを聞かれる
- 希望日時などを返信する
- 面接日とURLが送られてくる
- Web面接を行う
当日は5~10分前にログインするようにしますが,接続が途絶えた際に備えて,緊急連絡先を相手方に確認しておきましょう。
もっとも,これは返送メールに書いてあることが多いですし,当日中にも話があるはずです。
さて,先述したように,Web面接には対面のものとは異なるコツが存在し,カメラ映りや話し方をそれ用のものに変えることがまず1つ考えられます。
例えば,開始時刻になったらチャット機能を使い,準備完了の旨を伝えることで丁寧さをアピールできるわけです。
もちろん,対面式の面接のコツとしてこれまでに語り継がれてきたことの中にも,Web面接に転用できることはいくつかあります。
これらについて次章から1つずつみていくことにしましょう!
映えを意識しよう
格好はリクルートスーツにしますが,カメラ映えを意識したものにする必要があります。
とはいえ,下半身はジャージでよいと言う話にはならず,第1印象を良くするために,照明や背景,目線により多くの注意を向けることが重要です。
営業職に代表されるように,第1印象はもはや仕事の一部とされているので,しっかり対策しましょう。
まず,カメラの位置ですが,自分の目線の高さに合わせてください。
ノートパソコンを机に置いただけだと,上から見下ろす感じになってしまうはずです。
なので,本を積んで高くした台にパソコンを置くなどと工夫しましょう。
次に,パソコンと座った椅子の距離を調節しますが,胸元から上が出るくらいの長さにしておかないと,お辞儀をした際に,画面上に自分の頭しか映らなくなってしまいます。
なお,距離を出すと今度は自室の背景が映りこみやすくなってしまうため,だらしない印象を与える可能性があるものは片付けましょう。
理想は白い壁とされていますが,そのような場所が見当たらない場合,バーチャル背景を使うべきかどうかについては意見が分かれています。
ここでは,白い背景紙を買って会議するのが無難だと言っておきましょう。
さて,3つ目は照明です。
明るい部屋であれば問題ないかもしれませんが,家の照明が暗い場合,YouTuberが使っているようなリングライト(女優ライトとも呼ばれる)を使ってみたり,モデルの撮影で使われるレフ板にように,白いハンカチや印刷用紙を机上に置いて,顔を明るく見せることも十分に考えられます。
後者に関しては,証明写真を撮る時にも使う技法です。
最後に目線に注意しますが,見つめるのは画面に表示された相手の顔ではなく,カメラのレンズ部分であることに注意してください。

話し方を工夫しよう
私には,大学時代,俳優養成所に通っていた友人がいますが,彼は面接で百戦錬磨で,今の仕事の営業成績も社内でトップです。
その理由は,他人から自分がどう見えるかがよくわかっていて,話し方が非常に上手いからで間違いありません。
そんな彼に言わせると,
すでに書類選考に通っているのであれば,その志願者は企業側から求めている人物像だと判断されたことを意味するよね。だから,あとはその職業の人に相応しい自分を演じるだけで良いんだよ。
だそうです。
確かに,このように思えるだけで,だいぶ気持ちが楽になるように思います。
とはいえ,それ以外にできることもいくつか挙げてみましょう。
1つ目は,いつもよりゆっくりかつはっきりした声で喋ることです。
滑舌が気になる人は発声練習をしても構いませんが,Web上でマイクを介してのコミュニケーションとなるため,ラグが生じるでしょうし,相手のリアクションが分かりづらくなるため,普段,人と話すよりも相手に伝わりやすいように話すことを心がけましょう。
例えば,相手の質問が終わった後,「はい」を出だしに言ってから話し始めるようにするだけでも,相手からすれば聞きやすくなります。
同じように,文の区切りで間を置くように話すことで,メリハリを付けることができるでしょう。

なお,相手の質問が聞き取れなかった場合には,その旨を丁寧に伝えましょう。
2つ目は相づちを入れることです。
集団面接の場合,自分の番でなくても「頷く」という動きを見せることは大切ですし,相手の質問を繰り返してから返答し始めることも,相づちの1種となります。
3つ目としては,論理的な物言いとして有名な「箇条書き法・時系列法・SDS法・PREP法」などを使って返答することです。
箇条書き法とは,「私の強みは2つあります」などと最初に数字を挙げて言ってしまってから,「1つ目は~」などと話し始める方法で,時系列法は過去から現在,そして未来のことを時系列に沿った順番で語り上げるものになります。
残りのアルファベット書きの方法は,
- SDS法=Summary(要点)→Details(詳細)→Summary(要点+α)
- PREP法=Point(主張)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(主張+α)
の略です。
これらについては,自己PR文を書く際に学生サービス部の方から教わることもあるでしょう。
対面式の面接の教えを活用する
Web面接といえど,面接を行う企業側の動機は対面式の場合と変わりません。
1次面接を行う目的は,エントリーシートに書かれていた内容と本人の印象に違いがないか(集団面接)や,集団との関わり合いを始めとする普段の様子(集団討論)を企業側が知ることです。
小さい会社ではいきなり2次面接の内容からスタートすることがありますが,こちらは一般的に,事業や仕事内容を研究し,企業側が求めているものを理解した上で,応募者が自分の強みを述べられるかどうかが問われることになります(3次面接で熱意を測られる場合もあります)。
そして最終面接においては,内定を辞退しないことと,具体的にやりたい仕事を考えられているかが問われ,合格すれば晴れて採用です。
面接の質問の意図は,すべてエントリーシートを書いた際に問われていたことと同じですので,よりその会社に沿った内容で答えられるように練習しておきましょう(すべて1分程度です)。
さんざんやってきたかとは思いますが,聞かれていることを以下のように瞬時に判断していきます↓
典型的な質問と答え方
- 自己PRでは,「私の強みは~です。」と始めて,その強みが伝わる理由を話し,最後にその強みを入社後にどうやって生かせるかを話す。
- 学チカでは,直近の経験を述べ,どのように乗り越えたのかを経過も踏まえて具体的に説明し,底から学んだことを最後に付け加える。
- 志望動機では,なぜこの企業で働きたいのか,仕事の内容を具体的に話に盛り込むようにし,相手に自分がやりたいことを伝え,最終的には自分が入社した後に生かせる強みにも触れる。
なお,模擬面接を友達に頼んでやってもらう場合は,「質問をあらかじめ相手に渡す」ことと「なるべく辛口に評価をお願いする」ことに注意してください。
質問は,複数の中から相手に適当に選んでもらうようにし,なるべく言いにくいであろうことも忌憚なく指摘してもらえるように頼んでおきます(もちろん,相手に指摘されたことに腹を立ててはいけません)。
まとめ
以上,これからの時代は必須とも言えるWeb面接の受け方について,成功するためのコツをいくつかまとめてきました。
もし,同じ内容の回答を用意していても,見た目や声の印象だけで合否結果が変わることはよくあることです。
もちろん,実際はそれぞれの生き方で話す内容,時には容貌すら変わってくるわけで,まさにその会社に入るべくして入る人も中にはいます。
ですが,たいていの人はそうではないわけで,大学に入学してから途中で進路変更した人もいるでしょう。
Web面接ではわずかなことに気を付けるだけでも,対面式のときよりも有利に話を進められることが多いです。
是非,十分に企業の事前研究を行うようにしては,典型的な質問に対して自分なりの回答を多く作り,知人に頼んで練習を積み重ねるようにしましょう!
そのときの努力は本番での不安を減らし,何らかの良い結果をもたらすことになるはずです。
みなさんの就職活動が上手くいくことを祈っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。