学歴は上をみればキリがありませんが,MARCHと呼ばれる大学を卒業しておけば一応の格好がつきます。
通常であれば,大学入試がその入学手段となるのですが,今回は「MARCHの付属校」について考えてみましょう。
なお,当記事では小学校については言及していませんが,選択肢の1つとして考えておくことは,十分におすすめです。
MARCHの付属校について
MARCHの付属校に入ることによって,特別な推薦枠を使ってMARCHに入りやすくなります。
特別に努力する必要はなく,あくまで「普通に」過ごしていれば,まずその資格を失うことはありません。
一般的に,6~9割もの推薦枠が用意されています。
もちろん,自分の意思次第でそれ以上の難関大に挑戦することもできますし,あまり勉強をしない生徒のグループに入ってしまったとしても,結果としてMARCH生になることができれば,学歴的には得することになるでしょう。
近年,一般入試でMARCHに合格することは年々難しくなっており,それこそ浪人して東大や早慶を狙って不合格になってしまった生徒が滑り止めとして利用することも多くなってきています。
といったわけで,ある意味,中学や高校受験を経てMARCH付属校に入学するというのは,なかなかに手堅い選択肢と言えるでしょう。
各大学に複数の付属校が存在しており,本記事では以下にまとめた17校を紹介していきます↓
M:明治大学付属明治・明治大学附属中野・明治大学附属中野八王子
A:青山学院中等部高等部・青山学院横浜英和・青山大学系属浦和ルーテル学院
R:立教池袋・立教新座・立教女学院・香蘭女学校
C:中央大学附属・中央大学付属横浜・中央大学杉並・中央大学高等学校
H:法政大学中学校高等学校・法政大学第二・法政大学国際高等学校
なお,紹介する学費は初年度のものを表し,入学金や制服費などは含んでいません。
偏差値は中学のものは四谷大塚発表のもの(Aライン80偏差値)を,高校のものは高校偏差値.netの情報を参考にしました。
掲載している学費などは改定される場合がありますので,詳細はHPでご確認ください。
明治大学の付属校について
明治大学はMARCHの中では,特に合格するのが難しいと言われることが多く,大学院から東大に行く選択肢も十分に可能です。
また,今回は紹介していませんが,2026年度から日本学園高等学校が明治大学付属世田谷中学・高等学校となることが決まっています。
明治大学付属明治高等学校・中学校
所在地:東京都調布市富士見町4-23-25
最寄駅:武蔵境・西調布駅など
偏差値:中学60~63,高校73
年額:中学867400円,高校837400円
進学:明治大学227名
高校生になると,明治大学の学部長が説明会を行ったり,高大連携セミナーなどが行われる他,高3の3学期からは入学前の教育プログラムが行われるなど,附属校である強みを生かした教育が行われます。
2021年度の卒業生の数は258人ですので,それをもとに進路をみると,9割程度は明治に入るということで,附属校のことをあまり知らなかった方にとっては驚くべき数字ではないでしょうか。
明治大学付属中野中学・高等学校
所在地:東京都中野区東中野3-3-4
最寄駅:東中野・落合駅など
偏差値:中学57,高校70
年額:中学847000円,高校839000円
進学:明治大学339名
2021年度は在籍者数が414人でしたので,約8割が明治大学に進んでいます。
内部推薦以外に国公立併願合格をすることもできるので,また選択肢は広がるのではないでしょうか。
早い段階からオープンキャンパスに行く以外に,実験や模擬裁判に高校生のうちから参加できたり,大学入学後に資格として役立つ,簿記や第2外国語(ドイツ語,フランス語,中国語,韓国語)の勉強もできます。
男子校です。
明治大学付属中野八王子中学高等学校
所在地:東京都八王子市戸吹町1100番地
最寄駅:八王子・拝島駅など
偏差値:中学54~56,高校69
年額:中学845000円,高校837000円
進学:明治大学277名
2021年度は310名の卒業生の89.4%が明治大学に進学しました。
明八も公開授業であったり,早くから東京6大学野球の応援に出かけるなどして,明大入学後のイメージを膨らませることができます。
青山学院大学の付属校について
キャンバスが渋谷ということで,自由でのびのび育つ雰囲気がある青山学院大学です。
青山学院中等部・高等部
所在地:東京都渋谷区渋谷4-4-25
最寄駅:渋谷駅など
偏差値:中学58~65,高校72
年額:中学1206000円,高校962000円
進学:青山学院大学361名
2021年度は414名のうち361名が内部進学を利用しました。
興味深いのはこの3年で内部進学者の割合が高くなっていることで,これも昨今の安定志向が影響しているのでしょう。
初等部から大学まで青山学院だと,実に16年も渋谷の同じキャンバスに通うことになるので,田舎で育った子たちとは環境の違いが凄いですね(笑)
青山学院横浜英和中学高等学校
所在地:神奈川県横浜市南区蒔田町124
最寄駅:蒔田駅など
偏差値:中学56~58
年額:中学1027800円
進学:青山学院大学86名
2021年度は157名のうち86名が青山学院大学に進学している他,早慶にも合格者が出ています。
青山学院大学には系属校推薦で進学することが可能です(その他受験者よりも優先される)。
大学で開講される年間20以上の講座に参加することもできます。
高校の募集はありません。
青山学院大学系属 浦和ルーテル学院中・高等学校
所在地:埼玉県さいたま市緑区大崎3642
最寄駅:北浦和・東川口・北越谷・浦和美園駅など
偏差値:中学51~52,高校57
年額:中学795600円,高校855600円
進学:青山学院大学8名(2020年度)
1クラス25名で学年50名程度の少人数教育です。
青山学院大学への系属校推薦枠もありますが,一番多い進学先ではありません。
立教大学の付属校について
合格最低点を公開しないなど,独特な雰囲気を持つ立教大学ですが,どうしても入学したい場合は附属校という選択が生きてきます。
立教池袋中学校・高等学校
所在地:東京都豊島区西池袋5-16-5
最寄駅:池袋駅など
偏差値:中学58,高校72
年額:中学1062000円,高校1062000円
進学:立教大学127名
所在地からわかるように,立教大学は目と鼻の先にあります。
2021年度は86%が立教大学に推薦で合格しました。
推薦条件としては単位を落とさず,卒業研究論文を出し,自己推薦かつ英検2級程度の英語力を有することが挙げられていますが,上の数字をみる限り,まったく問題にはならなさそうです。
立教新座中学校・高等学校
所在地:埼玉県新座市北野1-2-25
最寄駅:志木・新座駅など
偏差値:中学60,高校71
年額:中学965000円,高校965000円
進学:立教大学266名
例年80%の生徒が立教大学に進学しますが,成績や振る舞いに大きな問題がなければ推薦されるのが中高一貫校の強みでしょう。
もっとも,学部学科にまでこだわると成績順になります。
高校2年生の時期から,説明会や面接などで進学先を決定していくのが特徴の男子校です。
立教女学院中学校・高等学校
所在地:東京都杉並区久我山4-29-60
最寄駅:三鷹台駅など
偏差値:中学61
年額:中学907600円,高校896400円
進学:立教大学129名
2021年度は183名の卒業生の70.5%が立教大学に進学しました。
立教新座などと同様に,素行不良でない限り推薦で入学できます。
国公立医学部や早慶も合格者が出ていて,女子校であることが気にならなければ,安心して任せられる学校です。
高校での募集はありません。
香蘭女学校中等科・高等科
所在地:東京都品川区旗の台6-22-21
最寄駅:旗の台駅など
偏差値:中学61
年額:中学933200円
進学:立教大学97名
2020年度以降の推薦枠は最大97名と増え,150人程度いる卒業生の上位6割程度に入れれば立教大学に進学できます。
なお,完全な中高一貫校なので,高等科からの募集はありません。
中央大学の付属校について
国家公務員の試験の合格者数が私大の中でもトップレベルで(2020年度は一般職で1位,総合職が2位),公認会計士や司法試験の合格者も高い中央大学ですが,そもそもは法律学校として創立されました。
中央大学附属中学校・高等学校
所在地:東京都小金井市貫井北町3-22-1
最寄駅:武蔵小金井駅など
偏差値:中学57~59,高校70
年額:中学933800円,高校888800円
進学:中央大学341名
387名の卒業者の88%ほどが内部推薦を使って進学しています。
高大連携に関しては,これまでに紹介したような模擬裁判や大学の教授による公開講座がある他,将来公認会計士を志望する生徒のために,高校生のうちから簿記の資格講座を受講することが可能です。
なお,同じ附属校である「中央大学杉並高等学校・中央大学横浜中学高等学校・中央大学高等学校」と合同で英語スピーチコンテストが開催されていて,中央大学の教員が審査します。
中央大学附属横浜中学・高等学校
所在地:神奈川県横浜市都筑区牛久保1-14-1
最寄駅:センター北駅など
偏差値:中学57~59,高校67
年額:中学1209200円,高校1206200円
進学:中央大学255名
2021年度の卒業生が331名なので,7割強の生徒が内部推薦を利用して中央大学に進学しています。
中央大学杉並高等学校
所在地:東京都杉並区今川2-7-1
最寄駅:上井草・荻窪駅など
偏差値:高校70
年額:高校922400円
進学:中央大学290名(2020年度)
2020年度は94%の中杉生が中央大学に内部進学しました。
とはいえ,他大学の併願もできるので,より多様な進路が選択可能です。
中学がないので7年にはなりますが,在学中から,中央大学で何を学ぶのかを考えるための機会が数多く設けられており,例えば,論文指導や図書館司書,模擬投票といった大学生との交流があります。
中央大学高等学校
所在地:東京都文京区春日1-13-27
最寄駅:後楽園駅など
偏差値:高校71
年額:高校921000円
進学:中央大学139名
2021年度は卒業生157名の8割以上が中央大学に進学しました。
同じキャンパス内に理工学部があるので,交流がしやすい他,その他学部とも連携しています。
家族的な校風で教員と生徒が繋がり,卒業後も後人の指導で高校を訪れることもあるようです。
法政大学の付属校について
法政大学中学高等学校
所在地:東京都三鷹市牟礼4-3-1
最寄駅:井の頭公園駅など
偏差値:中学57~59,高校69
年額:中学921007円,高校887877円
進学:法政大学208名
卒業生の8~9割程度が法政大学に進学しますが,残りの1割の生徒の中にはMARCH以上の偏差値の大学に合格する人もいます。
学校での成績以外に,英検2級相当の学力と基礎的な思考力の2項目において,法政大学の定める基準を満たす必要がありますが,特に問題なくクリアできているようです。
法政大学第二中・高等学校
所在地:神奈川県川崎市中原区木月大町6-1
最寄駅:武蔵小杉駅など
偏差値:中学57~59,高校70
年額:中学1041280円,高校957130円
進学:法政大学545名
2021年度は卒業生620名のうち,8割以上が法政大学に進学していますが,法政二中高は140年以上の歴史を持っています。
中高に加えて大学も加えた「10年一貫教育」には独特の魅力があり,受験に時間を割かずに済む分,自分の将来について深く考え行動する機会が増えるのが特徴です。
法政大学国際高等学校
所在地:神奈川県横浜市鶴見区岸谷1-13-1
最寄駅:生麦駅など
偏差値:高校68
年額:高校895000円
進学:法政大学254名
2021年度は311名の卒業生の81.7%が法政大学に進学しました。
SGHに指定されたことからもわかる通り,1年目から卒業生を招くキャリアフォーラムを開催するなど,自立した人材の育成に力を入れています。
まとめ
以上,MARCH付属校をいくつか取り上げ,内部推薦実績を中心に紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
中高に限らず大学までが連携した教育を受けられることで,各大学の精神めいたものがより色濃く自身に反映されることになります。
つまり,一般入試でMARCHに初めて入った学生と比べて,ずっとMARCH生らしいということです。
その強みは,在学中の10年間を費やして何か目標に向かって頑張れることであり,学歴が気にならないほど個性的で価値ある人材となって社会に出られるのではないでしょうか。
判断は難しいですが,必ず推薦で進学しなければいけないということでもないので,中学や高校でもMARCHに入るチャンスがあれば,是非検討してみてください!