当記事では,FPの試験に申し込んでから合格証明書が届くまでの一連の過程についてまとめています(級としては,3級から開始して2級を取るところまでになります)。
本番に向けて勉強することはもちろん大切ですが,それ以外に,どのような出来事があるのかを知っておくと,学習期間中のメンタル面に良い影響を及ぼすものです。
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FP試験の受検を申請する
FP試験の申し込みは試験日の約2ヶ月前になると開始されます。
以下は2022年度の例になりますが,毎年似たような日程で行われるので,来年度以降も同じ流れです↓
会場によっては席が無くなってしまう可能性はあるのですが,申請期間が3週間あるので余裕を持って申し込めることは確かでしょう。
なお,私は完全に個人的な興味での受検となるため,実技試験が個人の資産相談業務である「きんざい」に申し込もうと思っていましたが,上の3級の第1回目では検定料にかなりの差があったため「FP協会」の方にしました(2022年の9月試験から受検手数料が改正され,差はなくなっています)。
FP協会の模擬試験は資産設計提案業務ということで,仕事に役立つ印象がやや強いのですが,そこまで試験内容に違いはないので,特にこだわりがなければ試験会場でより都合の良いところが利用できる方を選んでしまってよいかもしれません。
ここまでの内容をまとめますと,FP検定には日本FP協会が行うものと金融財政事情研究会のものの2つがあり,学科試験は両者共通ですが,実技試験に若干の違いがあり,更新時点での受検料は以下のようになっています↓
3級 | 2級 | |
学科+実技 | 8000円 | 11700円 |
学科のみ | 4000円 | 5700円 |
実技のみ | 4000円 | 6000円 |
学科と実技の両方を受けるからといって割引になるようなことはないようです。
加えて,これに数百円程度の手数料がかかるので注意してください。
実際の申請手順ですが,以下の通りです↓
3級と書かれていますが,2級も変わりません。
まずは受検票や試験会場そして料金の説明を確認し,その内容に同意します。
申請内容の入力では個人情報の他,受検地の希望を決められるのですが,会場の数に限りあるため,そこまで細かくは指定できませんでした。
各都道府県に1~3つ程度なのですが,きんざいのHPによると,2級の会場費が1.2億円,3級の会場費が0.7億円とかかるようなので,運営する側は大変だろうと推察されます。
続けて支払方法を選択したら,早速支払い作業へと移りましょう!
なお,金融財政事情研究会で申し込む場合は,インターネット受検申請システムに登録(ユーザー登録)してから,受検地を決めて支払いに移るといった流れです。
FPの検定料を支払う
クレジットカードはVISAとMASTERのみが対応となっていて,JCBしか持っていなかった私はコンビニ払いを選択せざるを得ませんでした(若干手数料が高い)。
やはり,世界的なシェアが大きいVISAカードは1枚は持っておかないとダメですね(2級を受けるまでには作っておきました)。
コンビニ名の他,氏名と電話番号を入力しましたが,後者は支払いの際に入力を求められることもあるそうです(私は求められませんでしたが)。
前章の内容での申請が終わると,払込URLが載ったメールが届くので,それを印刷した払込票を持ってコンビニで支払います。
ちなみに,支払期限は受検申請期間の2日後となっていましたので,ギリギリに申し込んだ場合も,支払いは当日までではないのでご心配なく。
レジでバーコードを読み取ってもらったら,通常の買い物通り支払いを済ませるだけです。
レジの人から払込領収証を受け取って店を出たら,受信メールを開いてみてください。
私と同じように日本FP協会で申し込んだ方であれば,「受験手数料お支払い完了のお知らせ」という確認メールが届いているはずです。
その後(コンビニ払いの場合は2週間ちょっと経った頃で,カード払いの場合はすぐです)になると,「受検申請が完了いたしました」という確認メールが届き,受験票は試験の3週間前あたりに発送となることや,万一10日前になっても届いていない場合は,試験業務部に連絡するようにと書かれていました。
2級の場合(きんざいの場合?)は,顔写真が必要(学科と実技ごとに1枚必要)とも書かれているはずです。
FPの受験票が届く
FPの受験票ですが,試験の約3週前あたりに発行され,それから数日して届きます。
以下に,受験票に書かれていた内容をまとめます↓
- 受験情報
- 領収証
- 持ち物
- 受検上の注意
- 受検地の変更
- 結果発表
- 諸注意
受験情報についてもう少し説明を加えますが,試験日時や受験番号が記載されていた他,試験会場の地図も印刷されていました。
左がFP協会3級のもの,右がきんざいの2級用のものとなります↓
写真を貼る場所があったので一瞬驚きましたが,3級の場合,写真付き本人確認書類を当日持参すれば貼り付けの必要はありません。
なお,写真サイズが4×3cmと3×2.4cmと,試験によって異なっていることにも注意してください。
ちなみに,試験は10時開始で,集合時間はその20分前に設定されていました。
30分前から入室可能となり,その10分後までに集合しなければならないとあって,なかなかにタイトなスケジュールです(もっとも,次章で述べるように,実際の進行はそれほど厳密ではありません)。
2回受けて思うのは,大体の人は早めに到着しています。
遅刻についてですが,試験開始から30分経ってしまうと入室ができなくなります。
集合時間後に到着した人も数人はいました。
逆に,途中退室する場合は試験が始まって60分経過後から終了10分前までということで,そもそもの試験時間が60分しかない3級の実技試験では退室できません(2級の実技は90分あるので大丈夫です)。
学科試験と実技試験の間は1時間以上空いているので,少し散歩して軽い食事を取ったり,実技に備えて勉強するのも良いでしょう。
FP試験当日の様子
私が3級と2級を受験したのは,2022年の5月と9月ですが,当日の持ち物は,
受験票・筆記用具・計算機・本人確認書類(受験票に写真を貼る場合は不要)・腕時計・マスク・財布・(ペットボトル)
でした。
赤字部分は受験票の持ち物欄に書かれていないので,盲点となりやすい部分です。
私は別の試験で財布を置いて家を出てしまったことが最近あったので,くれぐれもみなさまはお気を付けください。
また,ペットボトルは熱中症などの予防を目的として,特別に許可されていました。
中身が見えるようラベルは外すようにと書かれていましたが,3級のときはラベル付きのままの人がほとんどで,大きさも1リットルの人がいたり,中にはアルミボトルのコーヒーを置いている人もいたので,そこまで厳しく制限されてはいません。
とはいえ,厳しい試験官に当たる場合もあり,2級では注意されている人もいました。
なお,私の会場は高層階にあり,受験者も1000人とまではいかないですが,それでも数百人が一挙に押し寄せるということで,エレベーターはフル稼働しており,教室に向かう際には誘導員の指示に従うなどで,思った以上に時間がかかる会場もあることを覚えておきましょう。
入室開始時間の前から建物内には多くの方が来られていて,現地で結構早い時間帯から着席することが可能でした。
私の場合ですが,朝に電車の遅延が発生したこともあり,予定していたよりも20分くらい早く出ることになりました。
試験当日は余裕を持って準備することが肝要です。
学科試験
席は指定制で,机には記入する紙が2枚置いてありました。
1枚は当日の体調を調査する紙で,もう1枚は解答用紙となっており,受験番号や名前を記入しました(解答用紙が後から配布になる会場もあります)↓
また,結構ギリギリの試験時間まで勉強することができたので,何らかの教材は持っていきましょう。
私はスタディングでアプリ学習をしていたのですが,スマホの電源を早い時間帯でOFFにさせられるようなこともありませんでした。
なお,試験が開始して10分くらい経った頃,体調チェックの紙が回収されるのですが,その際,受験票の名前や本人確認書類をチェックされました(マスクを外して顔を見せるなどはありませんでした)。
本人確認書類に写真を貼るべきなのに貼っていない人は,別の紙に記入するなどの手続きが別に必要です(この手続きは試験開始前にも行うことができます)。
私が3級のテストを受けたときのことですが,真横にいた受検者が開始15分で「失格で構わないので退出して構いませんか」と試験管に告げて退出していったのが驚きでした。
学科試験だけみても,3級で43.41%の合格率,2級ともなると15.75%に下がってしまうという難しいテストです。
とはいえ,問題自体は60問を120分かけて解くわけで,知識があれば正解できますし,逆に知らなければどんなに時間があってもできないタイプの問題ですから,時間には心配ないでしょう。
実力通りの結果になります。
なお,3級の場合は,勘だったとしても前半の30問は2分の1の確率で正解でき,残りの30問は3分の1で正解できるわけですから,問題を見ずに解いても4割は正解できるテストです。
自信を持って解ける問題が少し増え,後半でも明らかに違うと思える選択肢を消すことができれば,正解率も高まります(例えば3問ある選択肢のうち,1つでも違うとわかれば,正解確率は2分の1になります)。
2級はすべて4択ですので,勘でも2割5分しか正解が期待できません。
なお,見直しでは,1つでも間違いが見つかれば良しです。
なお,3級は試験時間1時間前には多くの受検者が解答を終えていたようで,退出許可が下りると7割くらいが一斉に会場から姿を消し,残り30分ともなると,私を含め数人しか残っておらず,ついには最後の1人となってしまいさすがに気まずくなって退出しました(笑)
2級については最終的に3~4割が残っていたので,やはりそれだけ難しいということなのでしょう。
退出時はすべての荷物を持って,解答用紙を監督者に渡しに行きます。
教室を出たところには受検者がちらほら立って勉強などしていて,みんながみんな,わざわざ会場の外に出て休憩するとはならないようです(意外と気になりましたが,廊下ではお静かに)。
私の会場の場合,昼休みの多くを試験を受けた教室を食事や休憩に使うことができたので,空調の効いた教室(または廊下部分)で実技試験までの時間を潰すことができてラッキーでした。
実技試験
FPでは学科と実技試験で教室が変わる場合もありますし,同じ席の場合もあるのですが,この実技試験だけを受けに来る人もいるので,学科試験とはまた別に仕切り直しというわけです。
ゆえに,先ほど述べた,体調を記載する紙やマークシートはまた別のものがセッティングされています。
3級は60分ですが問題数は20問となり,時間配分としては前半30分ちょっとで1周でき,50分までにさらに2回見直しが終わりました。
2級は90分となり,私の場合,毎回30分くらいは見直しできる時間が残ります。
3級の実技で特に注意したいのは,適切なものまたは不適切なもののどちらを選ぶのかということです。
最初は問題文を見ずに,丸かバツを問題用紙に記入していくと,必ず丸かバツが1個しかついていない選択肢が表れるわけですが,そこで初めて問題文を読み,1つとなった丸バツが問題文の適切・不適切と一致していることを確認することで,ケアレスミスをする確率が減ります↓
なお,問題冊子は学科試験・実技試験のもの共に持って帰ることができます。
後で自己採点する際に備え,自分の答えはすべて書き込んでおくようにしてください。
最後にですが,大人数の会場でコロナ対策などとなると,時差退出となり,試験終了から20分近く会場に拘束されることもあります。
FP試験後に予定が入っている方は,そういった可能性も考えておいてください。
FP試験の結果発表
正式なものではありませんが,FP検定は試験を受けた当日に合否がかなりの程度わかってしまいます。
その日の17時30分以降になったら,日本FP協会またはきんざいのHPに行ってみてください。
すると,上記画像のようなページが出てくるわけですが,そこから模範解答を確認することができるわけです(問題は翌日の10時に掲載されます)。
FP2・3級の合格点は6割と決まっていて(1級も同様),問題ごとの点数に違いもないので,学科では36/60点(1問1点)・実技では60/100点(3級は1問5点。ただし2級の配点は公表されません)に達しているかどうかを確認してみてください。
スタディングのFP3級を使った基礎固めやスタディングFP2級講座の勉強法で語ったように,今回の私は1つの教材だけで勉強してきましたが,3級は8割以上,2級は7割以上取れていました。
この後,正式な合格発表日の1週間前になると,リマインダーのメールが届きます。
発表日になったら,そこに記載されていた協会HPにアクセスし,受検番号とカナ氏名,生年月日を入力して確認可能です↓
上の画像はFP協会で3級を受けたときのもので「完全合格」とありますが,この言葉は学科と実技試験両方とも合格であることを意味しており,「一部合格」というのはどちらか片方のみの合格を表します。
逆にきんざいで2級を受けたときの合格発表は拍子抜けするほど味気のないものでした(受検番号を入れると,下に合格の2文字が表示されて終わりでした)。
FP協会の場合,合格発表日には合格証書も発送されたとのことで,翌日になると型紙の入った大きめの封筒が自宅に届き,立派な合格証書の他,結果通知書が入っていました↓
中央に見えている結果通知書には,学科試験や実技試験の結果の他,前者においては得点の細かい内訳の記載があります。
きんざいの方は到着まで3日ほどかかり,HPを見ても特に発送日の記載はなかったもので,「まだ届かないのだろうか。それとも発送自体されないものなのだろうか」などと不安な気持ちに駆られたものです。
結局,無事に到着したのですが,外観は上の3級のものとほぼ同じで,実技試験の方で分野別得点の結果が細かく確認できたところくらいが違いでした。
いずれにせよ,この結果を受けて,数日後には受付を開始する上位の級に申し込んだり,AFPや1級といった民間資格の方をどうするのか考えるというのが通常の流れです。
1級を受検するためには1年以上の実務経験が必要ですし,民間資格は2年ごとに更新する必要がある(資格を維持するためにお金を払い続ける必要がある)ことに気を付けてください。
なお,料金は2000円程度かかるのですが,プラスチックでできたFP技能士カードを交付してもらうことができます。
発行までは最大2ヶ月かかり,3級以外は証明写真が必要になりますが,申請自体は簡単にできるので,希望する方は申し込んでください(手数料はきんざいの方が安いですが,FP協会で受検した場合はFP協会のみ,きんざいの場合はきんざいにのみ申請が可能です)。
まとめ
以上,FP試験の2級と3級について,受験の申請から合格までの様子を一緒くたにしてまとめてきたのですが,いかがだったでしょうか。
FP試験の申請においては時期や支払いに注意し,支払いの様子から試験会場の様子,さらには合格発表日前後の様子まで,私の経験がお役に立てれば幸いです。
受検者層としては女性が想像以上に多く,年代は若い人から年配の方までと,様々な方がFP試験を受けに来ていました。
試験時間には余裕があるため,実力通りの力が発揮できるという点では安心できますが,いくら多くがマーク式であるとはいっても,特に2級は合格率が20%を切ることも多いので,決して簡単なテストではありません。
とはいえ,そもそも勝負にならないような人も受けているように思うので,過剰に恐れることはないです。
ちゃんとした教材で知識を付け,問題を解き,過去問を数年分やり,かつ,わからない内容はノートに書き出すなどして覚えようとする姿勢さえあれば,十分に受かるチャンスはあるでしょう。
とはいえ,3級に受からなければ2級を受けることはできないので(ユーキャンのような特別な教材を買って学べば飛び級は可能ですが),試験が年3回しかないことも踏まえて,長い目でみたスケジュールを立てる必要があります。
普段からちょっとずつ進めて,試験直前のときだけ長時間集中して復習し直すようにすると,効率良く得点することが可能です。
逆に言えば,前半で結構頑張っても,直前期での復習を怠ってしまえば一気に窮地に立たされてしまうので,これから受検される方は,尻すぼみにならぬよう,後半にかけて特に頑張るようにしてください!
みなさまの合格を祈っております。
ありがとうございました。