簿記検定を受験するにあたって,仕訳問題をなんとなくで解いてみたり,「どうしてそういった仕訳をすることになるのか」といった理屈抜きで丸暗記したりするようでは,「まったく受かる気がしない」と形容される日商簿記2級の合格はおぼつかないでしょう。
これは,ずっと簡単な3級のテストにおいても同じで,私が挑戦したときも,オンライン教育で効率的に学んでギリギリでした↓
もちろん,時間をかければ問題ないのでしょうが,現代においてタイパは重要です。
ただし,速いスピードで学ぶとその分忘れるスピードも速いため,3級の勉強をしてから数ヶ月が経つと,学んだことをすっかり忘れてしまった私ですが,欲張って「日商簿記2級の試験にも合格したい!」と思うようになりました。

試験日をいつにするかですが,こうした資格勉強というものは「やろうかなぁ…」と思った日が吉日となります。
ひとまず申し込んで,お金を払ってしまい,そこから残り時間を逆算し,その日までにできる限りのことをするのが重要です。
ここでは「日商簿記2級に2ヶ月で合格するための具体的な計画」について考えてみることにしましょう!
日商簿記2級に申し込む
まずは商工会議所のHPを訪れますが,申し込みが可能な試験が目立つところに表示されているはずです。
統一試験(商工会議所に行って受ける試験)は6月・11月・2月に実施されることが多く,申し込みが開始されるのは4月・9月・12月くらいになります。

もっとも,今やネット試験がいつでも申し込み可能で,最短で数日後に受けられてしまいます。
そうなると,わざわざ早く申し込む必要はないのですが,覚悟を決めるという意味では,早期に申し込んで料金まで支払ってしまうことが重要です。
このときの申し込み方法については,3級のときと大差ありません↓
ちなみに,就職に有利になる資格の上位に日商簿記が選出されることが多く,頑張れば受かるテストでありながらも,宅建やTOEICと比べてずっと早く合格点に達することができます。

勉強はまったくしていない状態で構いませんので,とりあえず申し込みを済ませて,早い段階から「勉強しなきゃ!」と自分を追い込むことが重要です。
日商簿記2級の勉強計画を立てる
ここでは,試験までちょうど2ヶ月あることを前提に解説していきますが,試験まで残り1ヶ月強しかない場合は,以下の話を大体2倍増しで考えてください。
試験日までにやることは単純で,
- 商業簿記と工業簿記の2級内容を理解する
- 実際の問題が素早く解けるようになる
ことです。
講義動画や市販の参考書を使って学ぶのは1つ目にあたり,予想問題集を解くのが後者にあたります。
2つ目の方は,時間がかかる上に集中力を要するので辛いものになりがちですが,それを怠ってしまうと,本番の試験が大変になってしまうので,そのときの負担を少しでも楽にするような意識で臨みましょう。
やるべきページ数を60(残り日数)で割り,大体1日でどのくらいの量を進めればよいのか考えますが,「1日〇章分進める」とは決めないようにしてください。
というのも,1章あたりのページ数や難易度が章ごとに異なっている場合が多いからで,「○日かけて×ページ進める」などと目標を設定しましょう。

一般的に「独学で勉強する場合に比べ,他人に習ったときの学習効果は2倍になる」ことが知られているので,オンライン教材を使いましょう。
当サイトでは以下の2つをおすすめしています↓
スタディサプリは利用料金の安さが魅力で,スタディングは学習効果の高さがウリです。
後者は日商簿記1級にも対応し,今後さらに上を目指す場合に重宝するでしょう。
逆に,学生が簿記を学ぶような場合はスタディサプリを使うようにすると,他教科も同一料金で学べて便利です↓
2ヶ月勉強法を実践する
日商簿記2級の勉強法ですが,教材が違ったところで学ぶ内容にほとんど差はありませんが,動画が観られるものはとにかくわかりやすいのでおすすめです。
やる気が低い時期は特に,動画だけでもどんどん観てしまうのが良いでしょう。
もっとも,最新の傾向に対応していないサービス(無料動画に多い)はダメです。
なお,簿記の教材は,例えば「商業22講義と工業16講義」のように分かれていることが普通で,商業簿記と工業簿記を互い違いに観ていく方が,メリハリがついて飽きずに済みますし,商業⇔工業と頭を切り替える練習にもなるのでおすすめしておきます。
なお,講義内で扱う例題程度であれば,すぐその場で解くことになると思いますが,別に問題集が用意されているような教材だと,「後でまとまった時間にやればいいや」となりがちです。
しかし,それは大きな罠であり,問題集の中で解くべき問題がどんどんと溜まっていってしまうことになります。
その理由は単純で,動画を観るだけなら思考を停止させても行えるので楽に感じますが,問題集を用いて復習することは必ず頭を使って解かなければならず,能動的な学習となって大変だからです。
講義内容すら忘れてしまった段階で解こうとすれば,1時間かけて1問しか進まないこともざらにあります。
そうならないように,リアルタイムで復習することが重要ですが,もしも上のような状況に陥ってしまったら,先に解答をみてしまい,その答えにどうしてなるのかを後付けで説明するようにしてみてください。
答えをみても分からない問題があったら,それは今の自分には解けないものなので,その場は無視して先に進み,一通り学び終えてから新たな気持ちでやり直してみてください。
一通りすべてを学び終えると,なんとなくわかってくることもあるはずです。
前半1ヶ月の過ごし方
前半の1ヶ月を使って,動画を全部観てしまいましょう。
例えば,40時間程度の長さの動画が用意されていれば,1~2時間かけて「平日は1つ,土日は2つ」観ると決めれば,1ヶ月で全部を観ることができます。
なお,オンライン教材でテキストがダウンロードできるものがあれば,自宅のプリンターで全部印刷してください。
もっとも,色ペンで重要事項に線を引く程度の作業しかしないのであれば,PDFを開きながら,右上にあるマーカーペンで色付けすることができますし,コメントも残せます↓
私の場合,テキストのPDFファイルをPCで開き,動画はiPad(またはスマホ)で開くという二刀流でやることが多いです。
他に工夫できることとして,どういうところに注意して解くのが良さそうか,自分が肌で感じたことを書き留めておくのが良いように思います。
例えば,
- この章は3級からやり直し
- 返品・値引・割戻・割引の処理は「割引」だけが特殊
- 5ページの表だけは覚えておこう
などといったものです。
このときのコツは「問題集にある問題を解けるようになるためにどう考えるべきか」を強く意識することでしょう。
メモを残しておくと,講義を受けたときの様子を思い出しやすくなるので,記憶に残りやすいように感じます。
見終わった後の残り時間は,問題集を使って演習しましょう↓
ちなみに試験の1ヶ月前までは,規則正しく着実に勉強を進めることがとにかく重要です。
演習の時間がほとんど取れない方やいつも寝落ちしているといった方には,先述したような「解答をすぐにみてしまう作戦」をおすすめします↓
答えの出し方をすべての問題について学んだ(全部の問題に目を通した)という事実があるだけで,翌日になって「また今日も頑張ろう!」という前向きな気持ちになれるところが興味深いところです。
逆に,演習問題を真面目に解いている人が,答えを見ずに解くことにこだわった結果,大量の演習問題をやり残してしまうと,それを次の日に全部やるのが苦痛となり,勉強ペースが維持できなくなってしまう恐れがあります。
特に,これまで毎日勉強をすることに慣れてこなかった人は,そういった苦痛に耐えられずに脱落してしまうことが多いので,完璧主義は止めて,何とか1ヶ月続けてみるようにしてください。
最悪,途中で寝落ちしたら,演習問題はもうそこまででやめてしまい,翌日は次の動画から新たな気持ちで始めてほしいと思います。
こういう適当さが完璧主義の方には必要です。
後半1ヶ月の過ごし方
ここまでで,日商簿記2級の範囲が一応理解できるので,試験までの残り1ヶ月は実際のテストにおける得点力を上げることに徹しましょう。
目標の1つ目は「正解できること」で,2つ目は「早く解けること」です。
まずは予想問題を解いてみますが,先述した教育サービスであれば予想問題も複数回分は収録されているので,何回か解いてみて,今の自分の実力と本番までの残りの距離を推し量ります。
点数が低いときは大いに焦って必死になりましょう。
これが,学生時代の試験前のような馬力に通じます。
間違えてしまった問題は,テキストの該当部分を読みこんで,全問完璧になるまで理解してください。
時間がない人は,予想問題で間違った問題の解答方法を誰かに説明できるようになるまでテキストを読み直し,その部分の類題だけを別の問題集で解き直すだけでもかなりの力が付きます。
とはいえ,合格に近づくためにはやはり,問題集(予想問題集含む)を最初から全部解きなおすのが最善です。
できた問題を含めてやり直すことには,また違うメリットがあります。
それはスピードアップです。
同じ問題に正解した場合であっても,ある人は5分,もう片方の人は10分かかってしまっている可能性があることを見落としてはいけません。
早く解ける分,他の問題を考える時間が生まれるわけで,計算の見直しも行うことができ,得点は間接的に高くなるものです。
ところで,最初からやり直すからといって,テキストを最初から読み直す時間までは2ヶ月勉強法に存在しません。
問題集でつまづいた箇所だけを,辞書的にテキストを確認するだけで十分です。
この時期は,とにかく問題集を解くことに専念してください。
商業と工業を合わせて,大体30章くらいあると思いますが,この時期は試験日が近づいているので,焦って必死になれる時期だと思います。
負担の軽い工業簿記からやるのもよいですし,先述したように工業と商業を交互にやってもいいですが,「1日2章ずつやる」などと決めたら,終わるまでは眠らないくらいの意気込みが大切です。
さすがに,試験日が近くなってくると,より集中できるように変わってくるでしょう。
勉強のテクニックとしては,このとき間違えた問題には必ずチェックを入れておくことが重要で,3回目に復習する際は,バツの付いた問題だけをやり直すことで時間の短縮に繋がります。
試験の1週間前は,仕訳レジュメだったり,残していた予想問題集を解いてみたり,気になるところだけ読み込んだりして過ごしましょう。
この時期の心構えは「わからなかった問題は,その場で完璧にする」ということです。
「これは2度と解くことがない問題だが,これが試験に出る」などと自分に言い聞かせながら,集中して覚えてください。
まとめ
以上,日商簿記2級を2ヶ月間の勉強で受かるための学習計画について,後半はオンライン教育サービスにある,「講義動画・テキスト・予想問題集・問題集」を,前半と後半の1ヶ月でどのように使うべきかについて解説してきました。
ここで,今回の記事の要点についてまとめてみると,以下のようになります↓
- まずは申し込みを済ませる
- 勉強時間は1~2ヶ月を確保する
- 他人に習うことで独学の倍の効率が期待できる
- 前半1ヶ月は慣らしの期間で継続第一を心がける
- 後半1ヶ月は前半で問題集を,後半で苦手問題を解く
- 最後の1週間は予想問題の残りや仕訳問題を主に学ぶ
オンライン教育サービスを利用すると,「工業簿記の方が商業簿記よりも点数が取りやすい」などと言った,王道の得点パターンについても授業内で言及されるでしょう。
テキスト内にも「日商簿記2級の出題傾向と対策」が書かれていますし,オンラインで学ぶ魅力は適宜更新されるところにありますから,いつでも最新の傾向に沿った内容で学習できます。
オンライン教育の恩恵を大いに受け取って,21世紀に生きる我々に相応しい態度で,社会や自分の中に存在する様々な壁を越えていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。