この2ヶ月間,私なりに戦略を考え,簿記2級試験の合格に向けて勉強してきました↓
そして,実際に試験を受けて合否発表を確認して,初めてわかった真の意味での「簿記2級攻略法」というものがあります。
これから日商簿記2級に挑戦しようとしている方は,参考にしていただけたら幸いです。
簿記2級の受験結果
私は理系出身で,経営に関する知識を講義で特に学んだことがなかったため,いわゆる「簿記初心者」に該当します。
しかし,個人事業主となってすでに10年近くが経ち,帳簿を自分でつけることが当たり前となり,教養がてらと簿記3級試験に合格したのを皮切りに,この際だから2級もと,ついでに学んでみることにしたわけです↓
冒頭に挙げた「2ヶ月計画」のもと,オンライン教育サービスをメインに学んできました。
違うところがあるとしたら,私の環境ではテキストの印刷や問題集を行うのが手間だったので,オンラインサービスは主に講義動画と演習問題のみの利用に留め,日商簿記2級の問題集は別に購入したくらいです。
結果的に,この2ヶ月での勉強時間の合計は約100時間に達しました。
しかし,その結果は悪夢でしかありませんでした↓
偉そうに語っておきながら,結果は,管理人としてあってはならない「不合格」でした。
大変申し訳ありません。
簿記2級は70点以上取れれば合格です。
つまり,大問1の仕訳問題があと1つ(配点は4点)正解できていれば受かっていたわけで,ある意味,惜しかったといえばそうなのですが,合格か否かを決める試験における目標点に届かずは,何の慰めにもなりません。
受かるのと落ちるのとでは雲泥の差です。
「簿記2級に関する記事は全削除します」などと宣言してけじめをつけることも考えましたが,周りにいた現役のMARCH生に尋ねてみても,その多くが不合格の憂き目にあっていたわけで,これはなかなかに異常事態ではないかと,もう少し調べてみることにしました。
というのも,彼らは大学で「簿記2級講座」なるものを受講しており,大学の授業料とは別に6万円以上の受講料(3級と合わせて)を支払っていて,毎週のように数時間の講義を受けてきたからです。
こういった講座を担当するのは,有名資格学校の講師陣になります。
私と違って期間も3ヶ月以上設けられていたわけで,ほぼ合格が約束されているような彼らが落ちてしまったわけですから,これは大変なことです。
ちなみに,そういう資格学校の講座価値は「短期間で結果にコミット」できることが強みであり,確実に合格者を出せなければ,簿記講座や学校そのものが無くなったりするので,教える側も必死で授業を行っています。
私の方は,日商簿記2級のここ最近の合格率のデータをようやく見つけることができ,今回の試験の恐ろしさを知ることになりました(HPの見える位置にデータが出ていなかったことが盲点でした)。
当時の試験結果は以下のようになります↓
受けた年によって,だいぶ合格率にばらつきがあり,画像に出ている範囲だけでも合格率は12.7%~47.5%です。
つまり,8人に1人くらいしか受からない悪夢のような回もあれば,2人にほぼ1人が受かってしまう天国のような回もあるわけです。
私の受験した第150回は14.7%でしたので,合格率が低い回に当たってしまったことになります。

ちなみに,私の会場においての合格率は11.7%で,3級は45.0%でした。
試験を受けた当日のことを思い返してみると,私の教室にいたのはほとんどが20代以上で,40代の人も数多くいましたが,そんな社会人が100人以上ひしめく教室で12人程度しか受かっていないというのは大変な驚きでした(みなさん,わざわざこの試験のために労力を割いて来ていたのにむごいです)。
このような具合ですので,試験内容が難しい回に当たってしまえば,どんなに努力してもそれを無に帰すほどの破壊力を孕んでいるのが日商簿記2級試験だと言っても問題ないでしょう。
逆に,神回に当たれば
「簿記2級に受かる気がしない」などと言っている人の気持ちがわからない。
という感想を抱くことになるでしょうから,同じ合格体験記であっても,いつのテストに受かったのかを含めずには判断材料として使えないこともわかりました。
このような事実を目の当たりにし,私なりの簿記2級攻略法がここに定まったわけです。
簿記2級の攻略法
もはや,これだけ難易度に差が生まれてしまうようでは,確実かつ安定した攻略法などは考えられません。
つまり,簿記2級の合格戦略としては,以下の2つを軸にした勉強法を展開すべきでしょう↓
- ギリギリで受かる程度の実力をつける
- 何度も簿記試験を受ける
ある程度の学力をつけた後は,自分と相性が良い試験回,または合格率の高い試験回に巡り合うまで試験を受け続けるというのが,私が実際に簿記2級を受けてわかった真の攻略法です。
みなさんは,これからもし「簿記は十分な準備期間を設ければ受かる」という言葉を耳にしても,「それは決して知識が増えるからではなく,簡単な試験回に巡り合える可能性が高まるからだ」と考えられるようになってください。
とはいえ,合格率をより高めるために取れる手段がないわけではありません。
本章では,私の思う合格戦略について,もう少し詳しくまとめてみましょう!
最低限の知識を付ける
第150回の検定試験では,テキストに載ってなかった(習ったことがない)範囲が普通に出ました。
もちろん,使った教材の内容は最新のものに対応していたにもかかわらずです。
しかし,それは日商簿記のHP中にも書かれていました↓
といったわけで,試験で目にするあらゆる事柄を事前に知っておくことは不可能なので,丸暗記をしようと思っている方はその考えを改めましょう。
逆に考えれば,最低限の知識を確実に押さえてしまえば,周りとほぼ差がない状態で試験を受けることになるわけです。
ここでいう「最低限」とは,講義動画(または参考書)+問題集の組み合わせで十分に学ぶことができます。
ただし,別の講師や著者に学んだ方がわかりやすかっただとか,思わぬ雑談からの出題があることも十分に考えられるので,複数の教材で学ぶ方が合格率が高まることは明らかです。
なので,もしも2級の勉強をやり直すことがあれば,別の教材をメインに,これまで使った教材も参照しながら学んでいくのが良いでしょう。
なお,講義動画が存在する以下のような教材の方が,活字だけの市販本よりも私は学びやすいと感じています↓
なお,最強の勉強法は簿記1級の試験勉強をすることで,ここで学んだ知識が,より簡単なものに形を変えて簿記2級で出題されることは多いです。
現に,簿記1級を目指して2級と並行して学習している方の合格率は高めなので,すぐにでも2級合格を実現したい方はダブル受験を検討してみてください(この場合,勉強期間は2ヶ月では足りません)。
何度も試験を受ける
もっとも,簿記攻略の柱となるのは,何度も簿記試験を受け直すことで,これをするメリットは,簡単な試験回に出会える可能性が高まることに加えて,より簿記2級に対する理解が深まるからです。
前者については,問題自体の難易度が大幅に下がったり,自分が理解した内容と相性が良かったり,さらには環境条件(会場の着席場所や気温,当日の体調など)が良好であることが原因と考えられます。
ちなみに,私が受験した試験会場は異様に熱く,座る位置も大教室の先頭で試験官がたえず目に入ってくる状況で,気が散りやすかったです。
続いて,理解が深まる点に関してですが,中学高校での定期テスト前の様子を想像してみてください。
中高生はその時期になると必死に勉強しては,なんとか間に合わせるようにします。
もしも試験前の頑張りがなかったら,まったく点数が取れないといっても過言ではありません。
それほど,試験前の短期間で一気に学力は上がるものです。
ゆえに,そういった短期集中を日商簿記の試験の前に何度も繰り返せば,試験日を先延ばしにしてダラダラと勉強するよりも,はるかに良い結果をもたらすことは想像するにたやすいでしょう。
簿記2級攻略にかかる費用
前章で紹介したような講義動画は,競合他社が増えている関係で,思った以上に安く提供されています。
例えば,スタディングのサービスは買い切りで19800円ですし,スタディサプリも月額2178円で他教科も見放題になるわけです。
期間としては2ヶ月もあれば全部観終わることができるので,後者であれば「2178円×2ヶ月=4356円」で利用できます。
テキストや予想問題は印刷しましょう!
いつでも読める状態で持っておくことは,あとで振り返るときに役立ちます。
特に,簿記2級の試験が1度の受験で終わらない可能性を考慮すると,学んだものを何らかの形で残しておくことは戦略上必須です。
予想問題は書き込める解答欄がないと話になりません(見直しの効率が下がりますし,答えを書き込む練習もできません)。
もっとも,私は環境的に講義動画を印刷するのが手間だったので,市販のテキストを別に買いました。
この場合,最新の試験に対応したテキストであれば何でも構いませんが,中を実際に確認し,
これなら勉強できそうだ!
とピンときたものを選ぶようにしましょう。
私の購入した「スッキリわかる日商簿記2級」は工業簿記と商業簿記の2冊で3千円ちょっとです↓
さらに,検定試験の受験料が必要で,そちらが5千円強となります。
試験は簡単な回に出会うまで何度か受けることになるので,受験料や追加した教材費はその都度かかることになりますが,少なくとも1回あたりの費用は以下のようにまとめられるでしょう↓
- 講義動画(例題と予想問題含む):4千円~2万円程度
- 参考書(印刷せずに市販品を購入):3千円程度
- 検定料:5千円程度
数千円~数万円使って基礎知識を入手したら,あとは1回5千円でひたすら試験ガチャを回す。
これが,私の今回の敗北から導き出された真の意味での簿記攻略法です。
まとめ
以上,日商簿記2級検定試験を実際に受けて導き出した,私なりの攻略法でした。
この戦略を採用すれば,合格まで仮に1年かけて3回目の試験で受かったとしても,費用は最低3万円程度で済みます。
もしもですが,高確率で一発合格できないようであれば,わざわざ高い料金を払ってまで予備校に通う意味はありません。
圧倒的に数撃つ方が有利のように思われますので,特に大学生の方は,入学後の甘い罠に引っかからないようにしてください。
奨学金や資格講座の本質をしっかり理解することがないまま,ただなんとなく取ってしまうようでは,これから皆さんが羽ばたいていく社会における搾取に,一生抗うことができない身体になってしまいます。
もちろん,自分への投資は後で大きくなって返ってきますし,私は奨学金も利用した口なので,それらのメリットとデメリットを理解した上で,「自分の意思で選択した」という意識を持って判断してください。
いずれにしても,資格はいろいろな可能性を広げてくれるものです。
みなさんが日商簿記2級をなんとか取得し,夢に向かって前進されることを祈っておきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。