スタディサプリ大学受験講座のカリキュラムですが,大きく分けると2種類があります。
1つは「通年講座」と呼ばれるもので,これは1年間いつでも受講できますが,もう1つの「特別講習」は期間限定での開催です。
まずは通年講座の方からみていきましょう!
スタディサプリ通年講座のカリキュラム
「通年講座」は,24時間いつでも好きな時に好きな講座を視聴することができる,「スタディサプリといったらこれ!」と思われるメインコンテンツです。
「通年講座」と一つの名前で呼んではいますが,厳密にいうとその内容は,対象学年ごとに小学講座・中学講座・高校講座・大学受験講座に区別できますし,さらに今回紹介する大学受験講座一つとってみても,科目別講座(いわゆる普通の授業)と入試対策講座(共通テスト対策講座や難関私立大対策講座など)に細かく分けることができます。
なお,大学受験講座で申し込もうと中学講座の内容も観られますし,視聴範囲や回数に限度はありません。
カリキュラムに関しても同じことが言えます。
例えば,「入試対策講座」などと名の付く講座は,一般的には夏以降の実践期におすすめできるものでしょう。
ですが,人によって事情はさまざまなので,必ずその時期に受講しなければならないわけでもありません。
それこそ浪人生や進学校の生徒であれば,春からでも入試問題演習は積極的に行ってよいはずです。
といったわけで,各自の勉強戦略がそのままスタディサプリのカリキュラムになると考えておきましょう。
「決まったカリキュラムがない」と言えるかもしれません。
ここでオンライン学習について少し考えてみることにしますが,動画で学習することのメリットは「速習できること」に尽きます!
学習すべき内容をいち速く学び終えるに越したことはありません。
修学旅行を高2で終わらせるなどして,なるべく勉強時間が確保できるように配慮している学校は多いですが,それでも学校であらかじめ定められているカリキュラム通りに進まないことの方が普通です。
だからこそ,使えるときに使えるだけスタディサプリの動画を観てください。
カリキュラムが不在なことこそ,スタディサプリ最大の魅力ですから。
なお,すべてのオンライン教育サービスがこのような自由度を誇るとは限りません。
サービスによっては講座ごとにお金を払わなければならなかったり,ある時期にならないと開放されない講座があったりします。
それに対しスタディサプリの通年講座は,授業が上手な講師陣が教えていることに加え,レベル別のわかりやすい講座設定,月額一定の料金体系がウリのサービスです。
追加料金なしに小学4年生~高校3年生の内容すべてを視聴できてしまうことは,比較するととんでもない魅力だと呼べるでしょう。
当サイトのテーマでもある「MARCHの攻略法」では,苦手科目をなくすことを最初の目標としています。
ところで,ある教科が苦手で点数が取れない場合,その原因は,「普段通っている学校の授業をしっかり聞いていなかったから」だけとは限りません。
その原因はもっと前の段階,例えば「中学校で習得すべき内容が頭に入っていないことが原因となっている」ことが意外と多かったりするのです。
例えば高3になって予備校に通い,授業で感銘を受けるようなことがあるでしょうが,それは実は中学ですでに教えてもらっていたはずのことだったりします。
高校入試を必死に頑張った経験がない受験生であれば,一層そのような経験をすることでしょう。
世の中の格言で感動することがあっても,意外と当たり前のことを言っていたりします。
逆に言えば,それほどまでに,当たり前のことに気づかされる経験は大切だということです。
その「当たり前のこと」というのが,日々の生活においては「健康」であり,勉強においては「基礎」にあたります。
「基礎」という名のしっかりとした土台を中学で築けなかった人が,その心もとない足場に,高校で習う発展知識を積み上げて大きな家を作ろうとしているのが,受験にうまくいかない人の実態です。
速く学べるのですから,まずは簡単なところのチェックから。
是非,忘れないようにしてください。
通年講座とは別物!スタディサプリの特別講習
上で紹介した「通年講座」の他に,スタディサプリのカリキュラムには講習期間中に開講される「特別講習」と呼ばれる講座があります。
この講習講座は「スタディサプリ特別講習」と呼ばれるもので,同じスタディサプリの名前が入っていても,上の通年講座とは別のサービスになり,さらには期間限定の(場合によっては受講時間も限定の)サービスとなります。
もっと言えば,「合格特訓コース」もあるのですが,それらの違いについては以下の記事で確認してください↓↓
さて,ここでは特別講習について説明していきますが,時期が夏秋冬の季節に開講されるだけでなく,授業の形態や料金が通年講座と大きく異なります。
持論ですが,講習期間は日ごろ自由に勉強している人が,一般の動向に気を配るよいチャンスです。
他人と自分を比較することで「もっと勉強しなければ」と思ったり,「一般的に求められているレベルに自分は達しているのか」と修正・反省材料を見つけてくる期間が,夏休みのような長期休暇だと思っています。
スタディサプリ特別講習はオンラインではあるものの「チャット機能」があって周りのユーザーのコメントが読めますし,講座ごとのカリキュラムが明確に決まっているので,「この時期には一般的にここまでできないといけない」という到達目標を確認することが可能です。
また,予備校講師も講習期間中にはちょっと本気度が増しますので,燃えやすい生徒であれば「くそう,もっと頑張ってやる!」とちょっと煽られることになるでしょうし,弱気な方は「私,こんなに勉強できないんだ。マズイ」と打ちのめされて焦ることでしょう。
たかが1~2ヶ月の期間ではありますが,学力アップというのは,同じ時間をかけるにしても,短期間でそれを行った方が実現されやすいという研究結果もあるほどです。
特別講習の1ヶ月,毎日10時間勉強すれば300時間になりますから,これは1日3時間やったときの4ヶ月,上手く行けば半年分の勉強期間にも相当するほどの伸びが期待できるということを意味します。
夏休みが終わった最初の模試において,急激な偏差値上昇を示す人が毎年出てくるのにはそういう理由があるわけです。
ちなみに,特別講習で扱う教材は,通年講座と違った「最近の入試問題」であることが多く,これもまたリアル感を醸し出すために一役買っています。
とはいえ,ぶっちゃけてしまうと,何も最新の問題でそこまで演習しなくても,入試直前期に3年分くらいの過去問を解けば十分対応できるはずで,現に私はMARCHの近年の過去問を解いていませんが,合格点を下回ることはありません。
TOEIC®や英検®のように,試験まで残り1ヶ月しかないというような場合は,もちろん本番さながらの環境下で演習するのが有効ですが,受験は1年かけて戦います。
といったわけで,話を戻すと,最新の入試問題で演習する意味というのは,あくまで現実感を持たせるためだということです。
つまり,「今まさに自分がその入試問題を解くために(志望校に入るために)努力しているんだ」という意識づけがなされることになりますから,これはまさにリアル感の付与にほかならず,急激な成績アップに繋がる要素の1つになるでしょう。
利用料金は毎年変わっていますが,「1シーズン25,000円程度」というのが目安です。
スタディサプリ特別講習を含む予備校の授業は,別に奇術めいたことをするわけではないので,この講習だけですべてが劇的に理解できるようなことはありません。
とはいえ,受講することでやる気が高まり,自分で勉強する習慣が付いた結果,多くの問題を解けるようになって成績が上がるのです。
よって,あれもこれもと全部の講座を視聴する必要はありません。
弱点の講座であったり,好きな先生の講座を取るだけでも講習の目的は達成されるでしょう。
スタディサプリのカリキュラムで迷う方へ
色々書いてきましたが,大学受験のカリキュラムを自分で決めるのは難しいことです。
スタディサプリのように「自由に決めてよい」と言われれば尚更でしょう。
これについて,浪人生の例で考えてみることにしますが,彼らのうち2割は1年間の浪人生活で成績を上げられますが,6割は変わらず,2割においてはなんと下がってしまうと言われます。
学校もなく1年間もの莫大な勉強時間があるのに,なぜ彼らは偏差値を上げられないのでしょうか。
例えばここに,高校でまったく数学の勉強せずに東京大学に不合格Eで落ちた人がいるとします。
そんな生徒が,浪人した予備校の授業で「東大数学」の講座を取ったとしても,ほとんど意味はありません。
そのような超発展的内容ばかりを勉強しても,受験でピンポイントにその知識が問われる可能性は低いですし,基礎力もないため,得た知識を他の問題に応用することもできないでしょう。
こういう浪人生の場合,中堅校にすら受からないので,大変悲惨な受験結果となります。
実際,予備校の経営陣というのは,あと一歩で東大に受かれたであろう人にしか期待していません。
こういう人の中には,もしかすれば去年東大に受かっていたかもしれない人も多く含まれます。
不合格A~B層からスタートするそのような人たちは基礎的な知識などもちろん持っているわけですから,勝負を分けるであろう出題頻度の低い発展問題を一つでも余計に解ければ,他の受験生と大きく差を付けることができるわけですから,合格の可能性も必然的に高まるというわけです。
以上の話を考慮すると,カリキュラムは自分で選択しなければなりません。
悩んだら,より簡単なレベルのものから始めましょう。
オンライン教育の強みを活かして,速習すればよいだけの話です。
その中で1つでも知らない知識に出会えたら,それはもう大変なチャンスであり,より基礎にあたる問題というのは応用レベルの問題5つ分にも匹敵するほどの価値があるというのは,もう言うまでもないでしょう。
まとめ
少し熱が入ってしまったところもありましたが,スタディサプリの「あらゆる学年の講座を視聴できるサービス」というのは,MARCH合格のカリキュラムを組む上で大いに役立つサービスです。
変な話,通年講座の知識を全部習得し,特別講習でやる気を補充,そして志望校の過去問だけは数年分やる必要はありますが,それで逆にMARCHに不合格になることはあるのか考えてみてください。
もちろん絶対に受かるわけではありません。
しかし,その原因は,体調不良または問題との相性のどちらかであることが大半でしょう。
ですが,相性問題に関しては,予備校に通わずスタディサプリを使うことで浮いたお金を,多くのMARCH学部の受験料に充てることで解決できそうです(第一志望にこだわらなければ)。
大学に入ってからも転部できますし,上には上の大学がありますから,夢が明確に決まっているというわけでなければそこまで学部にこだわる必要はないと思います。
とはいえ,塾で教えている私を含めて,予備校講師というのは誰しもが自分にしかできない授業があるという自信と誇りを持ってやっているので,予備校や塾がオンライン学習のせいで廃れてしまうことはないでしょう(もちろんコスト削減のため,本気度の低い講師ばかりを安いバイト代で雇うようなところは潰れてほしいとは思いますが)。
どっちがよいかではなく,すべては結局は受験生自身の使い方だという結論です。
なお,今回紹介したスタディサプリの魅力としては,
- 料金が安い(月額1,980円,または講習期間に約25,000円)
- 時間が短縮でき,参考書を1人で読むのに比べて,人から習うとより速く学べたり,通学に時間がかからない
- 苦手意識を払しょくしてもらえ,特別講習で一般の動向がわかるのでやる気が出る
- 通年講座では基礎レベルの講座も自由に受講可能
といったものがありました。
スタディサプリのカリキュラムを設定する際は,本記事の内容を気に留めながら,自分だけのカリキュラムを作ることを念頭にいれてやってみてください。
こういったセルフマネジメントのような能力は,受験勉強に限らず,社会に出てもあらゆる場面で役立ちますよ!